4.3.3Nb3Sn永久電流スイッチの製作
10kA級の通電に対し単一素子で安定性を確保できる永久電流スイッチの開発の一環として、Nb3Sn超電導線による通電容量3000A級の永久電流スイッチを製作した。
1)永久電流スイッチの諸元
Nb3Sn永久電流スイッチの設計諸元は、下記のようである。
(a)通電容量 3000A(4.2K、1T、30A/s)
(b)オフの抵抗 4Ω
(c)主要部形状 円筒形 約φ180×160?
(d)耐電圧 対地:3000V、線間:1000V
(e)超電導線
構成 7本撚り(Nb3Sn素線×6本+CuNi中心線)
撚り線の直径 約2?
絶縁 Tガラス糸編組 厚さ0.07?
長さ 約250m
素線
種別 Nbチューブ法Nb3Sn超電導線
直径 φ0.67?
フィラメント径 13μ
フィラメント数 738本
マトリクス Cu-10wt%Ni(マトリックス比1.2)
臨界電流 約1060A(at 2T)
765A(at 3T)
(f)含浸剤 エポキシ樹脂
(g)コアの材質 SUSおよびG-FRP
(h)オフ加熱量0〜30W
(i)重量 約15?
2)永久電流スイッチの構造
製作したNb3Sn永久電流スイッチの構造を図4.3.4に示す。また、写真4.3.1〜写真4.3.5に、SUSコアと絶縁用セラミック、超電導線の巻きこみ、含浸時のリード支持具、NbTi補強部を固定した状態、および完成したNb3Sn永久電流スイッチの外観を示す。
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